防災用を主目的にmcAccess e を導入して、可燃ごみの収集車に積載。普段からスムーズなごみ収集に一役買っています。
環境クリーンセンターの建物。この中にごみピットや焼却炉などがあります。
ごみ収集車の故障時など、事務所への連絡に便利。班ごとにグループ通信で連絡を取り合うことにより、効率的なごみ収集が可能になりました。
「特にごみが集中する正月明けに便利さを実感します」
[インタビュー] 富士市環境部環境クリーンセンター 指導担当主幹 平野 利美 様
「雄大な富士山のもと 躍動するまち ふじ」を基本理念とする静岡県富士市。同市環境部環境クリーンセンターでは、富士市内から出された一般廃棄物の収集・焼却処理業務を担っています。可燃ごみについては、ごみ収集車が収集し、環境クリーンセンターで焼却・処理しており、常時稼働している収集車23台のうち直営の19台と、予備の収集車4台の計23台に mcAccess e を積載しています。
もともとは、防災用無線として平成16年10月に導入。 mcAccess e は緊急時の輻輳状態下にあっても安定した通信が可能であること、他の一般業務用無線局と異なり、無線従事者の資格不要であることから選ばれました。
導入の主目的は、地震発生後や、河川の増水による床上浸水後の後片付けなどに、ごみ収集車が稼働する際の連絡用となっていますが、普段は可燃ごみの収集をスムーズに効率的に行うために使用しています。
例えば、ごみ収集車が故障した場合や、急な道路工事で通行できない場合などにセンターの事務所へ mcAccess e で連絡、指示を仰ぎます。また、道路上で小動物が死んでいると市民からセンターへ連絡があった場合には、担当の収集車へ mcAccess e で連絡し、回収を指示。ごみ収集車は4台で1班となっており、早く収集が終わった車はグループ通信を利用して、同じ班の車両に連絡し、まだ終わっていない地域に回ります。その結果、ごみ収集の効率化が図れているというわけです。特に、通常の約3倍のごみの量となる正月明けには、以前は収集終了が夜になったものですが mcAccess e 導入後は、収集体制の変更との相乗効果で、午後5時頃に終われるようになりました。mcAccess e は携帯電話と違って、運転中に使用できるのもメリット。災害時の通信手段用に限らず、普段から有効活用しています。
CNGごみ収集車(天然ガス車)。
「 mcAccess e は音声がクリアで使いやすい」とのこと。
センター・事務所にある管理移動局。
一斉通信とグループ通信を使って連絡しています。
●無線従事者の資格・電波法検査不要
他の一般業務用無線と異なり、無線従事者の資格不要。
電波法検査もなく、認定点検も必要ありません。
●多様な通信ができ、機能的
通信内容や目的によって、一斉通信、グループ通信、個別通信が使い分けられ、
非常に便利です。
●道交法に対応。運転中も通信OK
携帯電話の場合、運転中の使用は違法ですが、mcAccess e は規制の対象外と
なっています。
(一財)移動無線センター(Press平成18年10月発行)掲載内容は取材当時のものです。