mcAccess e 導入により、「災害時緊急通報システム」を構築
災害時、基地からの天然ガス送出停止を、大口顧客に緊急通報!都市ガスの安定供給確保へ。
ユーザープロフィール
エネルギー開発部
統括産業エネルギーグループ
課長・水田隆雄さん。
岡山ガス株式会社様は1910年に会社設立。都市ガス事業を主体に、地域社会とともに発展してきました。県内に3社ある都市ガス会社のひとつで、岡山市を中心に倉敷市、赤磐市などへガスを供給しています。
同社では、mcAccess e によるテレコントロール機能を利用した「災害時緊急通報システム」を構築。災害発生時に、都市ガスの大口顧客の消費を控えて大切なライフラインを確保し、暮らしや産業を守る備えを進めています。同社築港工場において、エネルギー開発課長の水田隆雄さんをはじめ、担当の皆さんからお話しを伺いました
災害発生時、LNG基地の危機管理の一環として
mcAccess e による「災害時緊急通報システム」を構築
築港工場の「災害時緊急通報システム」。
水島基地からの倉敷営業所への天然ガス
供給がストップすると、ランプの点滅
とブザーで緊急通報します。
岡山市街から南へ。岡山ガス築港工場は、瀬戸内海に程近い人工の湖、児島湖の近くにあります。筒状の貯槽や球形のタンクなどのプラント設備が威容を誇り、様々な太さの配管が設備や機器をつないで縦横に走っています。 都市ガスは、LNG(液化天然ガス)を受入、-162℃で液体貯蔵したものを気化して天然ガスとし、LPG(プロパンガスおよびブタンガス)と混合した後、熱量調整と付臭を行って製品化されますが、同社ではこの一連の工程を、築港工場と、倉敷営業所(水島のLNG基地より天然ガスを受入)の2つの拠点で行っています。
近年、大規模な地震災害が多発し、LNG基地においても災害時の危機管理の重要性が叫ばれる中で、同社では2008年8月、mcAccess e を導入し、水島基地と築港工場、大口顧客6社をつなぐ「災害時緊急通報システム」を構築しました。
水島基地からの天然ガス送出停止を緊急通報
大口顧客の都市ガス使用低減へ
築港工場のコントロールセンターでは、24時間三交替で工場全体の運転状況を集中監視するとともに、倉敷営業所の都市ガス製造の運転制御も遠隔操作で行っており、同社における都市ガス生産の司令塔の役割を担っています。
一方、水島コンビナート内にある水島基地の場合、60カイン以上(震度6強程度)の地震が起きると、天然ガス供給を停止します。その場合、工業用等の大口需要のお客様に「災害時緊急通報システム」によって即座に通報し、使用を控えていただくことにより、エリア全体のガス供給の安定化を図ります。
都市ガスは、一旦供給が止まると復旧には相当な時間と莫大な費用を要するため、この緊急通報は非常に重要です。
信頼性やコスト面からmcAccess e 導入へ
ランプとブザーで通報するシンプルな方式に
システム導入に際しては、様々な比較、検討を重ねました。有線電話の回線を使う装置は通信に時間がかかり、地震で断線すると使えない。携帯電話は輻輳する可能性がある。衛星回線は、信頼性は高いが費用面が問題、との判断ですべて却下。結果的に、mcAccess e を利用して、ボタンひとつで信号を送り(テレコントロール機能)、大口顧客に赤色ランプの点滅とブザーで一斉に通報するという極めてシンプルな方式としました。「mcAccess e は過去の大きな地震において、クリアな音声で安定した通話ができたという実績があります。中継局が複数あり、1つの基地が使用不可能に陥った場合、他で補完できることも信頼性の評価のひとつとなりました。また、ボタンを押して信号を送るデータ通信を利用する契約なので、結果的にランニングコストを低く抑えることができました」。なお、今回システムを導入したことについては、安全性への認識が高いお客様からも賛同を得ています。
2008年9月には、はじめて「災害時緊急通報システム」を使って防災訓練を行いました。今後、こうした機会に操作に慣れ、防災以外にも業務の中での新たな応用展開について使い方を工夫していきます。同システムは、万一に備え、大切なライフラインである都市ガスの安定供給を守ってくれる頼もしい見張り番、と言えるでしょう
災害時、大切なライフライン、ガスを守る
「mcAccess e 災害時緊急通報システム」
●高機能システムを安価に運用可能
●複数の中継局がありバックアップが可能
●電波の輻輳がなく、クリアな音声品質
●複数の子局にランプとブザーで一斉通報
●緊急通報の補完に便利な通話機能
築港工場 統括製造グループ
課長・福田 智さん
大口顧客に設置された「災害時緊急通報システム」
本文は平成21年1月のものです。