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三重県 四日市市 消防本部 様

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災害対策用活用事例
平成24年10月導入

三重県 四日市市 消防本部 様
所在地 三重県四日市市 

ユーザープロフィール

四日市市消防本部 様
 (約960ヘクタールの広大な四日市コンビナート)

四日市市は、三重県の東北部に位置し、「四日市港」臨海部を中心として我が国有数の石油コンビナートが形成され 日本経済を支える産業都市として発展。
コンビナートでは、大量の石油、石油製品や高圧ガスが取り扱われているため、大規模災害時における消防本部とコンビナート事業所の間の連絡手段の一つとして、平成24年10月にMCA無線を導入。

MCA無線導入の目的

 災害時に、消防本部とコンビナート事業所の連絡及び情報収集を確実にするために、既存の電話回線に加えMCA無線の導入により2重化を図る。

MCA無線選定の理由

 MCA無線は、災害時にも通信が確保できることに加えて一斉送信が容易に行えることから、コンビナート事業所全体の被害状況を早期に把握し、消火や周知、応援など迅速で総合的な災害対応が可能となるため。

通信内容と連絡系統

(1) 消防本部からコンビナート事業所への災害情報提供
   ◆消防本部からの情報提供
    ・震度4以上の地震が発生した場合の地震、津波情報
   ◆大規模地震対策特別措置法に基づく東海地震予知情報

(2) 発災時の通報、連絡
   ◆コンビナート事業所から消防本部への被災通報
    ・被災状況(出火、油漏洩等)及び異常事象の通報
      ・震度4以上の地震発生に伴う施設の停止等の通報
   ◆消防本部からコンビナート各事業所への被害状況確認 四日市市消防本部 様

インタビュー【四日市市消防本部 予防保安課 市川課長 様にお話しを伺いました】

四日市市消防本部 様

◆ MCA無線導入の目的は?

  • 東日本大震災において、東北地方の臨海部の石油コンビナートは地震及び直後の津波により大きな被害を受けました。
  • この地震では、消防本部とコンビナート事業所間の伝達手段である有線電話回線の一部に輻輳、断線等の障害が発生し、消防本部との連絡に支障が生じたと報告されています。
  • コンビナート事業所には多量の危険物等が取り扱われており、災害による周辺住民への影響の有無は極めて重要な情報となりますが障害が発生するとこれらの情報収集が出来ず対策が後手になることが考えられます。
  • 災害時に、より確実に情報収集するために、電話回線に加えてMCA無線の導入により2重化を図りました。

◆ なぜ、他の通信ではなくMCA無線を選んだのですか?

  • 現に電話回線を有していることから、他の確実で有効な通信手段は何かについて、消防本部とコンビナート事業所が合同で、各通信事業者からヒアリングを重ね検討を進めました。
  • 検討したそれぞれの通信手段は、確実性、有効性が認められましたが、消防本部への確実な通報に加え、各事業所の多くは、隣接して立地し、災害時には事業所同士の応援もあります。
  • 一斉通信が出来れば、近隣の事業所の被害状況を早期に把握し、消火活動応援、住民への周知等に繋げるなど総合的な災害対応も可能となります。
  • 特にMCA無線は、確実性と併せて一斉送信が容易であることから選定に至ったものです。
  • さらに、消防本部としては、一つの通信手段によることなく、より確実に情報伝達が出来るよう電話回線及びMCA無線を全てのコンビナート事業所に備付け、主要な事業所とは衛星電話による通信手段を確保し、多層化を図っています。

◆ 現在のMCA無線の利用方法は、どのようなものですか?

  • 現在、マニュアルを定め、地震災害時や電話回線が不通の際に使用することとしています。
  • 具体的には、地震時の点検指令、津波情報、東海地震予知情報等を一斉送信することや、事業所の災害情報の伝達を実施します。​

◆ 今後、考えておかなければならないことは?

  • MCA無線での通信は、消防本部と数多くの大手事業所との間で行うものです。
    まず、この全事業所において、通信要領を熟知し、機器に習熟していただく必要があります。災害時に、慌てずに的確な通信が確保出来るように、消防本部と事業所の間で月2回の通信訓練を行っており今後も適切な訓練を重ねていく必要があると考えています。
(一財)移動無線センター(取材 平成25年11月)掲載内容は取材当時のものです。